ハクビシンの「シン」 気を配り飼育、やっとひとり立ち

飼育員日誌 須坂市動物園
ハクビシンのシンちゃん

 シンちゃんは、平成17年9月に保護され、ここで育ちました。保護当時の大きさは、人間の手のひらの半分くらいしかなく、体重は約150グラム。目だって開いていませんでした。

 排便も自力でできません。ミルクを4時間おきに飲ませた後は、少し指をぬらして肛門付近をトントンと触り、ちゃんとできるよう、促しました。離乳食が始まるころには、すり潰した果物にミルクを少量加え、ちょっとずつ固形のものを与えたりしました。

 おかげですくすくと成長し、私を大好きになってくれたみたい。でもやっぱり、いつも一緒にいると、シンちゃんが「ひとり立ち」できないんです。

 心の距離が近くなりすぎて、私がいなくなるとイライラする様子がありあり。これでは絶対にいけない。考えついたのは、雄のお友達をつくることです。同居させたところ、今ではこの雄ととても仲良くなり、のんびり過ごすようになりました。

 悲しいのは、お友達が老衰のために死んでしまったことです。それでもシンちゃんも私も成長したので、今ではほどよい距離感を保っています。

 ハクビシンの平均寿命は15~20年。シンちゃんは今年で13歳。少しでも長生きしてもらえるよう、気を配って優しく飼育します。(ハクビシン担当 中沢槙子)