工藤会頂上作戦4年、福岡県内の構成員は半減 「危険な街」印象ぬぐう

 
北九州市小倉北区堺町を巡回する福岡県警の警察官

 福岡県警が、特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)トップの野村悟被告(71)を逮捕した頂上作戦から11日で4年が経過した。元漁協組合長殺害など5事件で起訴された野村被告は7月、上納金をめぐる脱税事件で実刑判決を受けた。警戒は続くが、組織からの離脱者は増え、北九州は「危険な街」という印象から脱却しつつある。

 「事件を起こすな」

 野村被告の公判が昨年10月から福岡地裁で進む中、工藤会上層部から組員に指導が入っていることに捜査関係者は気付いた。公判に影響すると感じた被告の意向をくんだ動き、との情報も入った。

 福岡地裁は7月18日、上納金の一部を私的に使い、約3億2千万円を脱税したとして懲役3年、罰金8千万円の判決を言い渡した。

 ただ、殺人罪などに問われている4つの襲撃事件の公判は、まだ始まっていない。捜査当局は「野村被告の影響力はそがれていない」として、警戒を続ける。

 県警は脱税事件の判決の翌日、北九州市の繁華街を6月にうろつき、「最近街はどうだ」と飲食店関係者に声を掛けていたとして、工藤会系組長ら7人を県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕した。「(上層部の指導で)下手なことができず、しのぎ(資金獲得活動)が厳しくなっている。組員らは焦っているのだろう」と捜査関係者は分析する。

 頂上作戦の影響もあり、平成20年末に730人いた県内の工藤会の構成員は、昨年末には360人と半減した。捜査関係者は「勢力は落ちている」とした上で、「野村被告が『うん』と言わなければ、組織の解散という流れにはならない」との見方を示した。

 15年に市内のクラブに手榴(しゅりゅう)弾が投げ込まれた事件を機に、県警が発足した堺町特別対策隊や小倉北署は今も、繁華街を毎晩、パトロールする。裏路地や雑居ビルの外階段にも目を光らせる。公判の証人や飲食店経営者ら数百人の身辺を警護する保護対策も、続ける。

 こうした活動もあって、北九州市内の繁華街につきまとった「危険な場所」というイメージは薄らぎつつある。

 市や県警などでつくる団体が昨年度、企業500社を対象に実施したアンケートで「暴力団の影響を感じないから接待に利用している」と回答した社は106社だった。27年度アンケートの約9倍に大幅増加した。

 県警関係者は「残り4事件の公判が終わらない限り、『野村体制』は続く」。警戒の手を緩めない考えを示した。