“二足のわらじ”農業で奮闘 銀行員・竹内さん、初収穫に笑顔 千葉 - 産経ニュース

“二足のわらじ”農業で奮闘 銀行員・竹内さん、初収穫に笑顔 千葉

コンバインを運転して実ったイネの収穫を行う竹内邦治さん=6日、市原市皆吉(永田岳彦撮影)
オフィスで銀行員として働く竹内邦治さん(左)=千葉市の千葉銀行本店
 農業法人への出向を志願し、稲作農家との“二足のわらじ”で奮闘する銀行マンがいる。千葉銀行の竹内邦治さん(46)だ。先週には今春から育ててきたコシヒカリの初収穫も行われ、約2ヘクタールで10トンを無事刈り入れた。(永田岳彦)
                  ◇
 刈り入れが行われた6日、市原市皆吉の水田には地元農家の指導の下、たわわに実ったコシヒカリの稲穂をコンバインで刈り取る竹内さんの姿があった。
 ◆黄金色のイネ
 「きれいな黄金色に実ったイネを見るとやはりうれしかった」と1年間の苦労が報われた瞬間をこう振り返る。一方で、「簡単そうに見えたコンバインやトラクターの運転は難しかった」と本音も明かした。
 大学卒業後の平成7年に同行に入行した竹内さんは県内の支店などで主に営業を担当。全く農業とは縁がなかったが、23年に日本政策金融公庫さいたま支店農林水産事業部に出向したことで、農業との関わりができた。24年には法人営業部農業ビジネス担当として千葉銀に戻り、農業関係の仕事に積極的に関わることになった。
 ◆志願して出向
 農産物の輸出や農業の6次産業化など農業ビジネスへの支援を仕事として手がける中で、県内の農家や農業法人が生産者の高齢化や後継者不足、休耕地の増加といった問題を抱えていることを知った。「こうした現状を変えたい」という思いを募らせていたこともあり、今年3月、同行や小湊鉄道、日立製作所など15社が農業法人「フレッシュファームちば」を設立すると、自ら志願して出向を決めた。
 同法人は異業種が連携し、販路拡大や生産性向上といった、農業が抱える課題を解決するビジネスモデルの構築を目指している。
 ただ、初めての経験だったことに加え、天候にも左右される農作業は想像以上に大変で、苦労の連続だった。銀行員としての仕事も「理解してもらいチームでカバーしてもらった」と振り返る。
 出向に際し、市原市皆吉地区への移住を決め、地域の農家とも積極的に交わってきた。約1年間の経験を通じて、自身が目指す若年層の就農や安定雇用、AI(人工知能)やICT(情報通信技術)を活用した農作業の省力化についても実体験に基づいていろいろ考えられるようになったという。
 来年も稲作農家と銀行員の両立は続けたいと言う竹内さん。将来を見据え、若い人を呼び込めるような持続可能な農業のモデルを模索し続けていく腹づもりだ。