さいたま市立全166校で教職員にタイムカード 働き方改革狙う

 
タイムカードをパソコンにかざす教職員。画面に時刻が表示される=10日、さいたま市大宮区の市立大宮東小

 さいたま市は10日、教職員の働き方改革を推進するため、市立学校全166校でタイムカードの運用を試験的に開始した。タイムカードの導入で教職員に勤務時間を意識した働き方を根付かせる狙いがある。本格的な運用は10月からスタートする。

 運用の対象は、市立小中高校と特別支援学校の常勤の教職員約6100人。出退勤時にパソコンのカードリーダーにタイムカードをかざすと、データが記録され、教職員の出退勤時刻が管理できるという。

 さいたま市大宮区の大宮東小学校でも10日、職員室の出入り口近くに出退勤時刻を管理するパソコンが設置された。これまで各職員が出勤簿に手書きで記入していた。教職員の一人は「カードをかざすだけなので便利になった。エクセル表に自分の残業時間が表示されるので、勤務時間を意識しやすい」と強調した。

 近年、教職員の長時間労働の是正が課題となる中、文部科学省の諮問機関、中央教育審議会の特別部会は昨年8月、タイムカード導入などを提言し、今年度から全国で導入する動きが広がっているという。さいたま市教委教職員人事課の小島健司主任は「タイムカード導入で教職員が勤務時間を客観的に把握し、業務の効率化につなげてほしい」と話している。

 一方、県教育委員会も今年度中に県立中高、特別支援学校の全176校でタイムカードの導入を目指し、2月定例県議会に予算案を上程した。しかし、最大会派の自民党県議団が「教職員の仕事は時間で管理できるものではなく、タイムカードはなじまない」などと主張し、予算案を凍結した。6月定例県議会でも凍結が解除されず、今年度中の導入は難しい情勢だ。

 教職員のタイムカードをめぐっては、導入済みの学校で仕事を家に持ち帰る教職員が増えたり、土日の部活動を申告しなかったりするケースもあり、導入後の課題が指摘されている。さいたま市の中高は、土日の部活動について管理者への自己申告制を採用するとしている。(黄金崎元)