北海道地震 宮古-室蘭フェリー大活躍、復興の動脈に - 産経ニュース

北海道地震 宮古-室蘭フェリー大活躍、復興の動脈に

 今年6月に就航した宮古港(宮古市)と北海道の室蘭港(室蘭市)を結ぶ県内初の定期フェリー。北海道の地震で被災地に派遣される救援部隊や支援物資の輸送に大きな存在感を示している。7日も高圧発電機車と高所作業車各7台を中核とする東北電力送配電カンパニーの岩手、福島両支社の救援部隊68人、岩手、山形、福島などの医療関係の災害派遣チームが搭乗、午前8時すぎ被災地に向け出港した。 (石田征広)
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 ◆航路あってよかった
 この日午前6時前。フェリーターミナルの駐車場は搭乗待ちの車両でほぼ埋まった。毎日、客待ちをしている地元のタクシー運転手が「これだけ車が集まったのは地震発生当日の6日と、6月22日の就航日以来だ」と目を丸くした。
 特に目立ったのは黄色い塗装の東北電力関連車両。高圧発電機車と高所作業車のほか、被災現場で作業に携わる計45人、後方支援計7人が分乗してきたワンボックスや4WD車など数十台が整然と並び、結団式も行われた。
 東北電力送配電カンパニー岩手支社配電専任課長の尾留川(びるかわ)芳英隊長は「青森と八戸発のフェリーがいっぱいで乗れる見込みがなかった。災害復旧は時間との勝負。この航路があって本当によかった」と話した。
 「宮古で乗れて助かりました」とは、福島県白河市からDMAT(災害派遣医療チーム)に参加した内科医(42)。「フェリーは各自手配。新潟からだと遠回りで大変だった」
 NTTの岩手、宮城、秋田、青森の電源車4台の燃料を積み、横浜からきたタンクローリーの運転手(61)は「急(きゅう)遽(きょ)かき集めてきた。北海道に渡れるのがあって良かった」、水とカップ麺、ブルーシートなど建設会社の救援物資を満載したトラックの運転手(52)も「この航路があって助かった。ほかに北海道に行く術がない」と口をそろえた。
 ◆補完役の機能証明
 トラック48台、乗用車77台、乗客238人。被災地に向かう多くの救援部隊と支援物資を載せ、フェリー「シルバークィーン」は出港した。
 東北と北海道を結ぶフェリーは八戸-苫小牧、青森-函館がメイン。宮古-室蘭は急ピッチで整備が進む無料区間がほとんどの三陸沿岸道路(八戸-仙台)の利用を前提にした航路。メイン航路の補完役も期待されていた。
 今回の北海道での地震は、その補完役としての機能を証明した格好で、運航する川崎近海汽船の小林一良宮古支店長も「そう評価していただけることはありがたい」と話していた。