アプリでいじめ相談を 奈良市、小中全校に導入

 

 奈良市は7日、いじめ問題を匿名で相談できるスマートフォン用アプリ「STOPit(ストップイット)」を市立小中学校全64校に導入した。小学5年~中学3年の約1万3千人を対象に無償提供。悩みを一人で抱え込まず、いじめを目撃しても傍観者とならないよう、アプリの積極的な利用を呼びかけている。

 ストップイットは、文章や画像、動画を市教委に送信し、いじめ被害の相談とトラブルの報告ができるほか、相談員とメッセージを直接やり取りできる。報告者の名前は伏せられ、市教委は学校名と学年しか分からない仕組みだ。28年6月に大阪府内の私立中学が初めて導入。現在は1都2府7県の小中高計173校で利用されている。

 市教委では平日午前9時~午後5時、教員経験のある相談員が対応。緊急時には24時間対応の電話相談も受けられる。学校内にはスマホの持ち込みが原則禁止されており、自宅での利用を想定しているという。

 市教委いじめ防止生徒指導課によると、市のいじめ認知件数は28年度が294件、29年度は549件と増加傾向にある。スマホ所持率は小学校高学年で約40%、中学生では約60%に上り、無料通話アプリ「LINE(ライン)」やツイッターといったSNSによるいじめの芽を摘む狙いがある。

 この日は市立平城西中学校で説明会が開かれ、生徒約200人が参加。国内総代理店「ストップイットジャパン」(東京都)の谷山大三郎代表取締役(35)がアプリの使い方を示し「いじめを止めたいと思う人が多ければ多いほど状況は変わる。ストップイットがなくても、いじめを止められるような学校になってほしい」と呼びかけた。

 3年の佐野快晴さん(14)は「匿名で利用できるので、先生や周りの人を気にせずに相談できるのはありがたい。何かあれば利用したい」と話していた。