二重被爆と投下機搭乗の孫、祖父の因縁越え交流 長崎 - 産経ニュース

二重被爆と投下機搭乗の孫、祖父の因縁越え交流 長崎

長崎県庁で再会したアリ・ビーザーさん(左)と原田小鈴さん
 広島と長崎で被爆した故山口彊さん=平成22年に93歳で死去=と、双方の原爆投下機に搭乗した唯一の米兵の孫同士が、交流を重ねている。祖父同士の因縁を乗り越えて、互いの平和活動に敬意を払い、核兵器廃絶へ思いを一つにしている。
 山口さんの孫娘で長崎市に暮らす原田小鈴さん(43)は7月上旬、米ワシントンから1年ぶりに来日したアリ・ビーザーさん(30)と、長崎県庁で再会した。
 非核を目指す活動の状況を報告し合う中で、アリさんは、教育システムの必要性を説いた。原田さんは大きくうなずき、対話を終えて感想を語った。「歴史的事実を一方的に伝えるだけでなく、身近なことに置き換えて考えられるようにすべきだと思う」
 造船所の技師だった山口さんは昭和20年8月6日、出張先の広島市で被爆した。3日後、帰郷した長崎市で2発目の原爆に遭う。数奇な体験を語り継ぐことに力を注いだ祖父の人生を、原田さんは紙芝居で伝えている。
 映像作家のアリさんは、被爆者の証言を紹介しながら反核を訴える。祖父の故ジェイコブさん=1992年に71歳で死去=は、原爆を載せたB29爆撃機のレーダー技師として、広島と長崎への投下に立ち会った。
 祖父世代の因縁や対立から一歩踏み出し、平和への可能性を高めよう-。原田さんとアリさんが共有する思いだ。
 「一緒にできることを模索したい」。アリさんは、互いの一族を追ったドキュメンタリー映画作りを考えている。原田さんも協力するつもりだという。