大分県が留学生の起業支援 卒業後の受け皿に - 産経ニュース

大分県が留学生の起業支援 卒業後の受け皿に

「おおいた留学生ビジネスセンター」で、行政書士に相談をするサダト・ナズムスさん(左から2人目)御ら
 大分県が、留学生らの起業支援に力を入れている。県内にある大学には、大勢の留学生がいるが、企業の外国人の受け入れ態勢が整っていないことなどから、卒業後の定着率は低い。起業を、留学生の卒業後の新たな受け皿として期待している。
 「最初に出す事業計画書が重要。資本金の出所の明示も必要です」
 別府市の「おおいた留学生ビジネスセンター」で、行政書士の説明に、起業を目指すバングラデシュ人サダト・ナズムスさん(22)が熱心に耳を傾けた。
 ナズムスさんが通う同市の立命館アジア太平洋大(APU)は、在校生約6千人のうち留学生が半数を占める。県と法務省によると、大分県内には別府市を中心に約3500人の留学生が暮らす。人口10万人当たりの留学生数は全国2位だ。
 ただ、平成28年に県内で就職した留学生は52人だった。
 「やる気いっぱい」とナズムスさんは話すが、起業のハードルは高い。卒業生の一人は「書類は全て日本語。税や法律の専門用語は難しい」と嘆いた。経営・管理ビザ取得には資本金500万円の資金の証明なども必要となる。
 県は28年11月、別府市に同センターを開設し、支援に乗り出した。オフィスブースを貸し出し、専門員が相談を受ける。留学生が投資家に事業の案を直接プレゼンできるプログラムも始めた。県によると28年以降、少なくともAPU卒業生ら4人が県内での起業にこぎ着けた。
 APU卒業生でタイ人のカムガード・ワチャレイントーンさん(23)は今年4月、動画制作などをする「STEQQI(ステッキ)」を起業した。「外国人好みの視点で制作できる」として、アジアの観光客向けにPR動画を作りたい日本企業との契約が増えているという。
 大学生活を過ごした大分に愛着を持つ留学生は多い。同センターの担当者は「面白いアイデアで相談にくる留学生がたくさんいる」と話し、県内での起業数の増加に期待する。