群大院・柴崎准教授ら、網膜剥離悪化の仕組み解明 失明防止に期待

 

 群馬大学大学院医学系研究科の柴崎貢志准教授らは4日、目の疾患の一つで、視力低下や失明を引き起こす「網膜剥離(はくり)」の病態悪化のメカニズムの研究結果を発表した。薬の投与で、網膜剥離によって死滅する視細胞数を大幅に減らし、失明を防げることを突き止めた。今後、新たな治療法開発につながると期待される。研究成果は8月24日、米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」の電子版に掲載された。

 網膜剥離は糖尿病や物理ストレスなどにより発症し、病状が悪化すると失明に至るが、これまで有効な治療法や治療薬が存在しなかった。

 柴崎准教授らはまず、マウスを使って網膜剥離を起こし、病状を観察した。網膜内の環境を維持する細胞が肥大化し、細胞のセンサー分子が異常活性化することを発見。細胞内に大量のカルシウムイオンが流れこみ、炎症性物質の放出が起き、網膜内の視細胞が攻撃され失明に至るまでのメカニズムを解明した。

 さらに、網膜剥離を起こしたマウスに対してセンサー分子の活性化を阻害する薬を投与すると、死滅する視細胞を半分程度にまで減らせる効果があり、この薬が患者の失明を防ぐ可能性が高いことも明らかになった。

 柴崎准教授らは今後、阻害薬が網膜剥離の患者に対して大きな治療効果があると予想し、安全な治療薬開発のため、臨床研究を進める予定だ。