「宿泊税」導入めぐり福岡県と市議会つばぜり合い  - 産経ニュース

「宿泊税」導入めぐり福岡県と市議会つばぜり合い 

 観光客数が増加傾向にある福岡県内で、ホテルや旅館など宿泊施設の利用客から徴収する「宿泊税」導入をめぐり、県と福岡市議会がつばぜり合いを演じている。県は平成31年度以降の導入を目指す。これに福岡市議会は「県が導入すれば、市内で徴収した税の多くが他の自治体に分配される」と反発。県と市による「二重課税」となれば、宿泊客の反発も予想される。
 宿泊税は使途を特定する法定外目的税で、導入には総務相の同意が必要だ。施設が宿泊料金とともに徴収し、自治体に納める。全国では、東京都と大阪府が宿泊料に応じて100~300円を課税している。京都市は今年10月に、金沢市も来年4月にそれぞれ導入を予定している。
 福岡県内の昨年の宿泊者数は、約1806万人と過去最高を更新した。県は導入の目的を観光振興に向けた安定財源を確保するためと説明。有識者会議を設置し年度内に中間報告をまとめる予定だ。一方、ホテルや旅館の客室数の半数以上が福岡市内に集中し、今後も増える見通しだ。市議会では今年3月から自民、公明両党などの主要4会派が条例制定に向け勉強会を開き、先行事例の調査や宿泊事業者から意見を聴取してきた。8月末には、議員提案の条例案が議会運営委員会に提示された。
 ある市議は「県が徴収すると、福岡市に還元されるのはわずかだ。市が使途を決められる財源が必要だ」と主張する。
 小川洋知事は「複数の自治体が重ねて課税すると、利用者の負担を考えないといけない」と市議会の動きを牽制(けんせい)する。
 一方、高島宗一郎市長は「何のためにどれぐらいお金が必要だと明確にしなければ、納税者は納得しない。市は検討する段階にない」として、導入には慎重な構えだ。