自動運転農機の作業公開 農業特区・新潟市で実証実験

 

 国家戦略特区(農業特区)の指定を受けている新潟市で4日、稲作の大規模・省力化の一環として、ICT(情報通信技術)を駆使して自動運転を実現した新型農機の実証実験が行われた。規制緩和の効果を探る特区で実験に取り組むことで、国内最先端の農機をスムーズに導入できる制度づくりを後押しし、普及に向けた機運を高めるのも狙いの一つだ。(太田泰)

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 実験は、新潟市と農機メーカーの新潟クボタ(同市中央区)が協力し、同市江南区で実施。クボタ(大阪市)が開発し、12月に発売する自動運転のコンバインと販売中の自動運転トラクターを連動させ、稲刈りと耕運を同時に行う作業を全国で初めて公開した。

 コンバインには、衛星利用測位システム(GPS)を利用した業界初の「自動運転アシスト機能」を搭載。手動操作で一定範囲の稲を収穫した情報を基に、機器の刈り取り部の昇降や角度を自動で修正し、田畑の端で自動旋回できるほか、農地の形状に合わせて最適なルートを自動的に判断する。収穫物のタンクが満杯になりそうになると運搬用トラックの近くまで自動的に移動し、再び自動走行に戻る仕組みも備える。

 この日の実験では、運転手がハンドルから手を離した状態で自動的に作業をこなす様子が報道陣に紹介され、実用性の高さを証明。コンバインとトラクターの連動作業なども確認した。

 経験に大きく左右されず、効率的に高精度の作業ができるため、新潟クボタの担当者は「新規就農者も即戦力になれる」とアピールする。ただ、コンバインは別売りのGPSユニットを含めて税別で1690万円かかり、小さな田畑では自動運転のメリットが少ないといった課題も抱える。

 同社の吉田至夫社長は「規制緩和によって新しい農機がスムーズに導入される枠組みを整え、全国の大規模農家を支援する動きが出てほしい」と行政側に要望。同市ニューフードバレー特区課の小布施睦課長補佐は「今後もより効率的な技術が特区で使えるように、現場や企業の意見をくみ取りたい」としている。