富士噴火想定 県が図上訓練 富士吉田に本部、副知事派遣

 

 県は3日、国や富士北麓の8市町村と連携し、富士山噴火を想定した災害対応を検証する図上訓練を5年ぶりに行った。県防災新館に加え、富士吉田合同庁舎(富士吉田市上吉田)に初めて災害対策本部を設置。現地対策本部長として吉原美幸副知事を派遣した。図上訓練で明らかになった課題をもとに、11月下旬に県と8市町村、関係機関が合同で「広域避難実動訓練」を実施する。 (松田宗弘)

 図上訓練には県、県警、自衛隊、内閣府、国土交通省などから計270人が参加した。

 訓練は、富士山北側で小さな地殻変動が増え、気象庁が噴火警戒レベル3(入山規制)を発表。2日後にはレベル4(避難準備)を経て、レベル5(避難)に引き上げられた-との想定で行った。

 レベル4の発表後、県は甲府市の県防災新館と富士吉田合同庁舎にそれぞれ災害対策本部を設置した。本部会議で甲府地方気象台が「避難準備の対応をお願いします」と県に要請。後藤知事は「人命第一に万全の態勢を期し、市町村、関係機関との一層の連携、県民への適切な情報提供を」と職員らに指示した。さらに、テレビの生中継を想定し、知事は県民に直接、早急な準備や市町村の指示に従った避難、地域の助け合いなど命を守る行動について、県民に直接訴えた。

 レベル4の発表から約1時間半後、住民が避難準備に入るべき、とするレベル5に。現地の吉原副知事は甲府の対策本部とテレビ会議を通じ、「対象エリアに避難指示を出した。対象は2万6204人となっている」などと報告した。

 知事は訓練終了後、「噴火警戒レベルが上がる中、県民や観光客へ、いつ、どんな情報を、どのような手段で伝えるかが重要と感じた。課題を整理し、11月の実動訓練に生かしたい」と述べた。

 実動訓練は一昨年に富士吉田市が始め、昨年は6市町村に拡大。県は当初、参加に慎重だったが、地元の強い要請や批判を受け、5月に方針を決めた。