こんな対馬、知っとったぁ? スーパー社長、郷土史を冊子に 興味津々、エピソード満載

 
「知っとったぁ? こんな対馬の歴史」の著者、武末聖子社長

 長崎・対馬の歴史を、分かりやすくまとめた「知っとったぁ? こんな対馬の歴史!」が、島内で6千部を売り上げる異例の大ヒットになっている。対馬市上対馬町でスーパーを経営する「タケスエ」の武末聖子(しょうこ)社長が、店のチラシに郷土史を書きためたものを、冊子にまとめた。島への赴任者や旅行者には案内書として、子供には郷土学習の入門書として引っ張りだこだ。

 冊子は114ページ。「初代ミス日本は対馬の女(ひと)だった!」「対馬にしかない阿比留という姓の伝説!」「ナント勇猛! 対馬武士の虎退治」など、歴史ファンならずとも興味をそそられる計50のエピソードを掲載した。

 いずれも写真や地図、家系図をふんだんに取り入れ、図鑑のように一目で分かりやすくした。また、ほとんどの漢字に読み仮名を振ってあるので、小さな子供でも、読みやすくなっている。

 内容は、中村学園大学(福岡市城南区)の占部賢志教授が監修した。

 武末氏が郷土史の本を出そうと思ったきっかけは、カナダに語学留学したときの苦い経験だ。

 他国の学生が自国の歴史や文化を誇らしげに語るのに、武末氏は日本どころか、自分の生まれ故郷である対馬の歴史もよく知らないことに気づかされた。

 そんな思いを抱いて帰国、目にしたのが父、裕雄氏(74)の蔵書だった。島の歴史に関する本が多数あった。

 裕雄氏は上対馬町の社会福祉法人慶長会の会長として、介護老人保健施設「結石山荘」も経営する。そのかたわら、地元の歴史や文化の普及、経済振興に汗を流していた。

 武末氏は父の蔵書で島の歴史を学び、チラシに書くようになった。それが人気を呼んだ。冊子は税込み1千円。島内の書店などで販売している。

 武末氏は「今も昔も対馬は防人(さきもり)の島。この本を通じて対馬の文化と歴史を知り、島が防衛の最前線であることを広く知ってもらいたい」と語った。