横浜出身の高見泰地・叡王、将棋初タイトルに「努力報われた」

 

 将棋界に今年、新たなタイトル保持者が生まれた。横浜市出身の高見泰地さん。第3期叡王(えいおう)戦の決勝7番勝負で金井恒太六段をストレートの4連勝で下した。「最初はタイトル戦に出るだけでうれしいと思っていたが、やはり勝つことに意味があると(感じた)。だから全力で指しました」。若き成長株は七段に昇段し、会心のシリーズを振り返った。

 叡王戦はこの期からタイトル戦に昇格。本戦入りすると、強豪相手の試練が待っていた。まず、各棋戦で大活躍する豊島将之八段。鋭い勝負手で逆転勝ちすると、涙がこぼれたという。「これまでの努力が報われたような気がしました」

 これで波に乗った。その後、渡辺明棋王、丸山忠久九段と実力者を立て続けに破り、7番勝負への進出を決めた。師匠の石田和雄九段門下の棋士では初の晴れ舞台。「やっと師匠の期待に応えることができた」と意欲満々でタイトル戦に臨み、大きな花を咲かせた。

 幼稚園のころ、父親が買ってくれたボード(盤)ゲームに将棋が含まれ、すぐに好きになった。平成17年、プロ棋士を養成する奨励会に入会。23年、プロ棋士四段に。居飛車の本格派として将来性は誰もが認めていた。

 「応援していただいた人のことを考えると、苦しいときもタイトルを諦めるわけにはいかなかった」と感慨深そうに喜びを口にした。立教大を昨年、卒業。将棋一本に専念できる環境となり、勝率がアップした。

 趣味は映画鑑賞で、プロ野球・横浜DeNAベイスターズのファン。大盤解説でのトークは絶妙だ。