周防大島・松嶋匡史さん、手作りジャム共感呼ぶ 「地産」にこだわり「起業の島」に - 産経ニュース

周防大島・松嶋匡史さん、手作りジャム共感呼ぶ 「地産」にこだわり「起業の島」に

 瀬戸内海に浮かぶ山口県東部の周防大島町で、移住者らによる起業が相次いでいる。ジャムなど島の豊かな自然を生かした商品を開発し、原材料は地元の農家や漁師らから調達する。新たな雇用も生まれ、活気が戻りつつある。
 島のかんきつ類を使った手作りジャムが人気の「瀬戸内ジャムズガーデン」代表取締役、松嶋匡史さん(46)は、妻の出身地だったこともあり平成19年に脱サラし、名古屋市からIターンした。高い日照率や海の照り返しでおいしいミカンなどができることに着目し、今では年間約180種類のジャムを製造・販売する。
 原材料の約9割は島の農家から調達し、収穫時期によって異なる味が楽しめるのが特徴だ。通常の2~10倍の高値で仕入れることで、地元農家を支援する。松嶋さんは「求められているのは地域の個性が生きた商品。商売を持続させるためにも、地域経済を回すことが重要だ」と力を込める。
 こうした考えに共感した別の起業家たちが松嶋さんの後を追い、耕作放棄地を花畑にした養蜂場を作った。地元漁師が取ったイワシでオイルサーディンを作る事業所も開業した。
 町立中でも総合学習として24年から、生徒が地元産のひじきを入れたクッキーなどの商品を開発し、保護者らから出資金を集めて道の駅のイベントに出店する起業教育を実施する。
 かつて6万人を超えていた町の人口は現在約1万6500人で、65歳以上が占める割合は約53%と県平均を大きく上回る。町の担当者は「『起業の島』の特色が強まることでさらに仕事が増え、若者が集まる島になってくれれば」と話した。