【学芸員ミュージアム談議】輸送に添乗、体力作り必須 茨城 - 産経ニュース

【学芸員ミュージアム談議】輸送に添乗、体力作り必須 茨城

ピエール・オーギュスト・ルノワール《レースの帽子の少女》1891年(ポーラ美術館蔵)
 □「ポーラ美術館コレクション-モネ、ルノワールからピカソまで」
 美術館学芸員に欠かせない職能として、乗り物酔いをしない、長時間の移動が苦にならないということが挙げられます。というのも、企画展を開催するためには、展示のコンセプトに沿って、よその美術館や所蔵家から作品をお借りして開催館に運ぶ必要があるからです。
 学芸員は、作品の安全を最優先に、コンディションを確認して梱包(こんぽう)などに立ち会い、美術品輸送専用のトラックに同乗する業務をこなさなくてはなりません。
 茨城県近代美術館の開館30周年記念特別展として開催される「ポーラ美術館コレクション-モネ、ルノワールからピカソまで」は、今年の4月に福島県立美術館でオープンしたのを皮切りに、岡山県立美術館へ巡回し、当館が最終会場となります。従って、72点の出品作品は、所蔵館であるポーラ美術館(神奈川県)からではなく、岡山会場から当館に輸送されてきました。
 今回、筆者は岡山-茨城間の作品輸送トラックに添乗しましたが、長距離・長時間輸送と、その後に続く3日間の展示作業に備えて、ここ最近心がけていたのは体力作りです。今夏は、展覧会準備に忙殺されつつ、合間にジムに通う日々を過ごしました。
 いよいよ明日4日、展覧会は開幕を迎えます。同展には、ポーラ美術館の「顔」ともいうべき逸品、ルノワールの《レースの帽子の少女》も出品されています。ぜひ、長旅を経て茨城にやってきたかれんな少女に会いに来ていただきたいと思います。(県近代美術館主任学芸員 澤渡麻里)
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 県内の美術館や博物館で働く学芸員・館長らが仕事の裏側や展覧会に寄せる思いとエピソードをつづります。気さくな「ミュージアム談義」を折に触れて紹介します。
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 県近代美術館開館30年記念特別展「ポーラ美術館コレクション-モネ、ルノワールからピカソまで」は水戸市千波町の同美術館で4日から11月18日まで。