拉致問題「早期解決に命懸ける」 さいたまの考える集いに460人 - 産経ニュース

拉致問題「早期解決に命懸ける」 さいたまの考える集いに460人

拉致問題について講演をする藤田進さんの弟で、「特定失踪者家族有志の会」副会長の藤田隆司さん=1日、さいたま市浦和区(川上響撮影)
 埼玉県や「北朝鮮に拉致された日本人を救出する埼玉の会(救う会埼玉)」主催で、1日に埼玉会館(さいたま市浦和区)で開かれた「拉致問題を考える県民の集い」には約460人の県民が集まり、拉致被害者や特定失踪者の家族の解決に懸ける思いに熱心に耳を傾けていた。(川上響)
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 「拉致被害に遭った可能性のある方が埼玉県で20人以上、全国で883人いる」。講演会で県民にこう呼びかけたのは特定失踪者、藤田進さん(62)=失踪当時(19)=の弟で、「特定失踪者家族有志の会」副会長の隆司さん(60)。「兄にこの壇上に立ってもらい、北朝鮮で何を思い、どう過ごしていたのか話してほしい」と訴えた。
 進さんに壇上で話してもらうためには、できるだけ若くて健康なうちに帰国してもらわないといけない。講演後、隆司さんは「あと数年のうちに解決しなければ、兄に壇上で話してもらうことはかなわない。早期解決に向けて、命を懸けて臨みたい」と話した。
 現在、拉致被害者と特定失踪者の家族の高齢化が深刻化している。「県民の集い」では例年、田口八重子さん(63)=拉致当時(22)=の長兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(80)がメッセージを寄せていたが、今年は体調不良のため、八重子さんの長男で同連絡会事務局次長の飯塚耕一郎さん(41)が登壇した。
 後半には、特定失踪者問題調査会代表の荒木和博さんも講演を行い、拉致の手口や工作員の上陸方法を映像を交えて解説。特定失踪者家族の悲痛な声を伝えた上で「拉致問題を動かすのには世論が必要だ」と県民に協力を呼びかけた。
 話を聞いた川越市の民生・児童委員、奈良則孝さん(70)は「(被害に遭った可能性がある人が)埼玉にもこれだけいるというのを聞いて驚いた。拉致のことを忘れないようにしていきたい」と話した。
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 藤田隆司さん「今年で16回目だが、事実上の進展は全くない。いつまでやればいいのか。国は責任を持ってやっていただきたい」
 荒木和博さん「政府は政府でやってもらいたいが、われわれ民間の力で何とか突破口をつくり、状況が変わるよう頑張りたい」
 飯塚耕一郎さん「調査委員会の報告など中間的なものは私たち家族は誰一人として望んでいない。家族を速やかに返してほしい」
 救う会埼玉代表の竹本博光さん「被害者救出とともに2度と拉致が起きない国づくりを目指したい。(県民に)自分の問題としてとらえてほしい」