【栃木この人】PBOチェアマン就任・山野井有三さん(63) 高いプロ意識、指導も厳しく - 産経ニュース

【栃木この人】PBOチェアマン就任・山野井有三さん(63) 高いプロ意識、指導も厳しく

「落ち着ける大人の空間を」と自らの思いを込めた「バー山野井」のカウンターに立つ山野井有三さん=宇都宮市江野町
 NPO法人プロフェッショナル・バーテンダーズ機構(PBO)のトップ「チェアマン」に就任した宇都宮を代表するバーテンダーの一人。
 現在、日本でバーテンダーを統括する主な組織は、PBOと日本バーテンダー協会(NBA)、日本ホテルバーメンズ協会(HBA)、全日本フレア・バーテンダーズ協会(anfa)の4団体。PBOは平成14年の設立以来、東京のメンバーがチェアマンを務めており、他団体も含めて東京・大阪などの大都市圏以外からトップに就任するのは極めて珍しいという。
 PBOはプロ意識の高いバーテンダーの集まりとして発足。毎年、全国バーテンダーズ・コンペティションを開催し、技量を競い合う。「プロフェッショナルを育成し、さらに突き詰めて勉強していくための組織。入会には2人の推薦者が必要。無理に会員数を増やすことを目的としていない」。月1回の会合や年2回の講習会など県外にも出かけ、後輩会員への指導に余念がない。
 レストランの店長や高級クラブのバーテンダーなどを経験し、49歳で独立するまで宇都宮を代表するバー「パイプのけむり」で20年働いた。宇都宮市が「カクテルのまち」をアピールするようになったのは約30年前、NBAの全国競技大会で同店から4年連続優勝者を出したことがきっかけ。その先陣を切った。
 先輩、後輩が切磋琢磨(せっさたくま)し、互いに負けられないと競い合い、大都市の同業者を押しのけて結果を出した。
 それだけに宇都宮の現状を見る目は厳しい。「かつては親方と弟子の関係もしっかりしていて厳しく教えられた。今は、インターネットで調べればカクテルのレシピも分かる時代。無理してつらい思いをしなくてもカクテルは作れるし、空き店舗があれば店も開けられる。だから(形だけの)“なんちゃって”バーテンダーが多い」と辛口だ。見よう見まねでシェーカーは振れるが、カクテル一つ一つの特性を考え、しっかりシェークしてよく混ぜるべきか、軽くシェークすべきものか、細かな違いまで気を配っているバーテンダーがどれだけいるか。「カクテルのまち」をうたうなら、将来を担う世代が技能や深い知識、マナーをしっかり身に付けなさい-。煙たがられても苦言を続ける。
 仲間と宇都宮カクテル倶楽部(クラブ)を立ち上げ、初代の代表幹事も務めた。妻、訓子(くにこ)さん(40)とカウンターに立つ「バー山野井」は宇都宮市中心部、シンボルロード(中央通り)の高橋ビル7階。(水野拓昌)
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【プロフィル】やまのい・ゆうぞう
 小山市出身。昭和62年、日本バーテンダー協会の全国技能競技大会総合優勝。平成16年に独立、「BAR YAMANOI」を開店。25年に同店を長男、皇(ただし)さん(31)に任せ、同じビルの7階に「バー山野井」(宇都宮市江野町2の6、(電)028・638・8456)を開店。63歳。