伊東住民ら、メガソーラー建設差し止め仮処分申し立て 洪水や土砂崩れ懸念 - 産経ニュース

伊東住民ら、メガソーラー建設差し止め仮処分申し立て 洪水や土砂崩れ懸念

 伊東市八幡野の山林への大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設計画をめぐり、建設予定地近くに住む住民ら7人が31日、工事によって洪水や土砂崩れが発生する危険性が高いとして、建設工事差し止めの仮処分を静岡地裁沼津支部に申し立てた。
 計画は「伊豆メガソーラーパーク合同会社」(東京)が山林約43ヘクタールを造成して調整池などを造り、約12万枚の太陽光パネルを設置するもの。
 申立書などによれば、山林を伐採し沢を埋め立てて造成する工事によって、豪雨の際には山の斜面を大量の雨水が流れて近隣の八幡野川に流れ込み、河川の氾濫や土砂崩れを引き起こす危険がある。住民らは、洪水を防ぐために事業者が造成する調整池は県の基準を満たしておらず、一連の工事はメガソーラー建設を規制する伊東市の条例にも違反している、としている。
 伊東市では6月から「総面積1・2ヘクタールを超える太陽光発電設備の設置に同意しない」との条例を施行しており、市は今回の計画は条例違反とみている。一方で事業者は「6月以前に着工済みで、市条例の適用外」との見方だ。
 申し立てを行った佐藤みつ子さん(69)は、建設予定地の直下に住んでおり「最近各地で大雨が増えている。今は安定している地盤を切り崩せば、雨が降るたびに土砂崩れを心配しなければならなくなる」と災害への懸念を表明した。
 代理人弁護士は「工事を着工するには県と市それぞれの許可、市条例に抵触しないという3つの要件をクリアする必要があるのに、災害に対する安全性が確保されないまま県や市の許可が出てしまい、市条例には違反している」と主張した。
 このメガソーラー計画には、八幡野港で漁業やダイビング業を営む事業者ら21人が3月、漁業行使権などが侵害されるとして同様の仮処分を申し立てており、地裁沼津支部で審議が続いている。
 伊東市の小野達也市長は2月、計画そのものには反対しながらも「許可要件を満たしている」として宅地造成等規制法に基づく事業許可を出した。また、川勝平太知事は7月、条件付きで森林法に基づく林地開発許可を与えた。
 住民らは県の林地開発許可と市の事業許可の取り消しを求める訴訟を起こす準備をしており、10月にも静岡地裁沼津支部に提訴する方針という。