千葉県内の中小企業 事業承継、広がる支援 金融・行政など連携 セミナーやマッチング

 

 中小企業における経営者の高齢化やそれに伴う後継者不足の廃業を解決する「事業承継」の支援が広がっている。地域の雇用を支え、優れた技術や商品を持った企業の廃業が増えれば、本県の経済にも悪影響を及ぼしかねないためだ。金融機関や行政では個々に独自の支援の取り組みを行うとともに、関係機関の連携も進んでいる。(永田岳彦)

 今月21日に開かれた県や銀行、商工会議所などの53機関の担当者約100人が一堂に会した「事業承継支援ネットワークちば」の初の全体会議。この日の会議では7月に千葉商工会議所に全国的にみても珍しい総合的な「ワンストップ窓口」を整備するなどの県事業引き継ぎ支援センターの取り組みや県の担当者が行った事業承継に関するアンケートの結果などが報告された。同センターの担当者は「事業承継は中小企業の経営者にとってはナーバスな話だったりもする。各機関がそれぞれ個別に支援をするのではなく連携して、結果につなげたい」と会議の狙いを打ち明ける。

 京葉銀行は後継者育成や事業承継税制など経営者向けにテーマを絞って専門家を講師に招いたセミナーを定期的に開催。7月に行ったセミナーでは、人材や資産だけでなく、社長個人の人脈や信用力といった可視化できない部分の承継の重要性や、事業承継が先送りされがちな実態とその解決に向けた取り組みなども紹介。10月からは後継者の育成に焦点をあてた「アルファバンク後継者塾」も開講する。

 金融機関以外では、千葉テレビ放送が、個人事業主などの小規模事業者の担い手を探すマッチングサービスを行うアンドビズ(東京都)と業務提携を締結。後継者難による廃業を減らし、地域創生を実現するとしており、今後の取り組みと成果が注目されそうだ。

 帝国データバンク千葉支店の試算によると、平成29年時点での県内企業の67・6%が後継者不在の状態。県内の中小企業約12万9千社に当てはめると単純計算で約8万7千社以上の企業が今後10年程度で後継者問題に直面する。

 国も税制改正で、相続税の負担緩和の特例措置を設け、事業承継に向けた準備を経営者らに促す目的で事業承継ネットワークの構築事業を各都道府県で進めている。本県でも関係機関が連携した事業承継支援がますます広がりを見せそうだ。