大谷香奈絵「私のふるさと」

アナウンサーコラムVOICE

 8月も終盤。みなさんは、どんな夏休みを過ごしましたか。

 おばあちゃん子の私は、幼い頃から、夏休みになればすぐに祖父母のいる岡山へ行き、ほぼ2カ月間、一緒に畑の野菜をとったり、墓掃除をしたり、沢でカニを捕ったりしてのびのび過ごしました。

 自由研究も、いつもおじいちゃんの山の中。みつけた植物をスケッチしたり、色水にしたり、いろいろなところで温度を測ったりしました。草いきれと土のにおい。夕方になると聞こえてくる名も知れぬ虫や動物の鳴き声。澄んだ星空…。

 その全ての思い出を回想するとき、付いて離れないのが、祖母のミシンの音です。内職で旅館の浴衣を縫い、2人の子供と3人の孫を育てた手は、布を送る丸まった形になってしまい、パーの形ができません。手をつなぐ度に、「私も頑張らなくちゃ」と言葉なくとも励まされたものです。

 今年の夏休みも、祖父母を訪ねました。ここが私のふるさと。心から安らぐ場所があることを幸せに思いました。