せっけん無料配布、「草加市くらしの会」9月解散 高齢化に勝てず、「さびしい」 埼玉 - 産経ニュース

せっけん無料配布、「草加市くらしの会」9月解散 高齢化に勝てず、「さびしい」 埼玉

せっけんを配布する「草加市くらしの会」のメンバー=23日、草加市中央
 平均年齢75歳。高齢化に勝てず-。埼玉県草加市の市民団体「草加市くらしの会」が9月3日に解散する。会は昭和60年ごろから河川の汚染防止を目的に、家庭で出た廃油を使った洗濯用せっけんづくりを始めた。平成3年から現在まで年末の大掃除の時期に無料配布し、市民に好評だった。
 ◆活動50年
 会は昭和42年に設立され、昨年末に活動50年を迎えていた。市から感謝状、県からは消費生活功労者賞をそれぞれ受けるなど、長年の功績が認められた団体だった。せっけんの配布のほか、古着回収も実施していた。
 解散の引き金は、会長を務めていた白水政子さんが今年4月、82歳で急死したことだ。4人の副会長は全員、後任の会長就任を固辞し、存続が困難になったことから解散の道を選んだ。
 23日、草加市中央の市役所でせっけんの無料配布を実施。事前に情報を聞きつけた市民らが続々と来庁し、用意した100個は1時間ほどでなくなってしまうほど盛況だった。せっけんを受け取った市在住の鳥之海清一さん(80)は「これまで孫の運動靴を洗ったりするのに重宝した。長年愛用していたが、最後と聞いてさびしいね」と漏らす。
 ◆「60代で若い」
 会の「せっけん製作部」に所属する中井邦子さん(79)は「白水会長は生前、『あと4年はやりたい』と話していた。続けられないのは残念だが、仕方がない」とこぼす。会員の平均年齢は75歳。登録されている会員数は50人だが、実質的に活動しているのは20人弱という。中井さんは「今は女性も仕事に子育てに忙しいから、なかなかこういう組織に入りたがらない。何せ『60代で若い』といわれてしまう組織だから」と話す。
 せっけんづくりに使っていた攪拌(かくはん)機などは市から借りていたもので、解散に伴い返却するが、「できれば市でせっけんづくりを引き継いでもらえたら…」(中井さん)と期待を込める。
 会は28日、草加市旭町の市勤労福祉会館で最後となるせっけん配布を実施し、9月3日の解散式で約50年にわたる地道な活動に幕を閉じる。(大楽和範)