オウム死刑執行1カ月 終息感と高齢化、反対運動岐路に - 産経ニュース

オウム死刑執行1カ月 終息感と高齢化、反対運動岐路に

 ■「ひかりの輪」本部所在、世田谷の住民協
 一連のオウム真理教事件で死刑が確定した元教祖、麻原彰晃(しょうこう)元死刑囚=執行時(63)、本名・松本智津夫(ちづお)=ら元幹部13人全員の刑が執行されて約1カ月が過ぎた。教団の後継団体「ひかりの輪」が本部を置く世田谷区で、17年前から反対運動を展開してきた「烏山地域オウム真理教対策住民協議会」の古馬一行会長(66)らは本部の警戒を続けるが、終息ムードも漂い、メンバーの高齢化などで協議会の活動は岐路を迎えている。(高橋裕子)
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 世田谷区南烏山にあるマンションにオウムの後継団体「アレフ」が入居したのは、地下鉄サリン事件から5年後の平成12年12月。その後、団体は分派してアレフは足立区に転居し、ひかりの輪が残った。
 協議会は信者の居住に反対し、「地域の子供たちを信者にしない」ことを目的に翌年、発足した。
 ひかりの輪は団体規制法による観察処分を受け、公安調査庁の監視下にある。マンション前には、同庁や警察の詰め所もあるが、協議会は独自に小屋を置いて人の出入りに目を光らせてきた。町内会や自治会、PTAなどが協力し、年末年始を除くほぼ毎日、午前、午後の2時間に2人ずつが当番で警戒に当たる。
 世田谷区によると、12年の入居当時、本部に100人以上いた信者は30年には5人前後に減少。古馬さんは「公安調査庁、警察、住民の監視があったからこそ烏山では信者は増えなかった」と効果を強調する。
 だが、仕事をリタイアした人が中心の町内会のメンバーらで発足した協議会は高齢化が進み、70~80代になった。若い世代は活動に入ってこないという。
 古馬さんは「ひかりの輪とオウムが関連付かない。当時を知らない人には実感がわかないのでしょう」と風化を憂う。
 世田谷区は、協議会に補助金を交付するほか、区内の大学や短大で、ひかりの輪やアレフといったオウムの後継団体に関わらないなどの注意喚起を行っている。
 区の担当者は「麻原元死刑囚らが死刑になっても思想は変わらない。今後も協議会への補助を継続するとともに、特に若い世代に過去の事件の悪質性を伝え、風化させない働きかけを引き続き行っていきたい」としている。