那須水害「心構え持つ」 町職員ら対象に防災セミナー 栃木 - 産経ニュース

那須水害「心構え持つ」 町職員ら対象に防災セミナー 栃木

 「那須水害」の発生から20年の節目を迎え、死者3人、行方不明者2人を出すなどの被害があった那須町で27日、町職員らを対象に防災セミナーが開かれた。
 同町職員288人のうち半数が「那須水害」を職員として体験していない。災害時の対応や心構えについて知ってもらうと共に、災害の記憶や教訓を風化させず、後世に伝えようとセミナーが開催された。
 同町の若手職員や消防署員ら100人が参加。セミナーを前に、犠牲者への黙祷(もくとう)が捧げられた。当時対応に当たった山田正美副町長や救助活動を取り組んだ那須地区消防本部通信指令課の藤田利郎課長補佐(48)らが講話。また、若手職員として災害の最前線で業務に当たった同町の課長3人がディスカッションした。
 山田副町長は「今の気象をみると、災害はいつ起きてもおかしくない。早く正確に広く情報を伝達することが町職員としての責務。普段から危機管理意識を持って災害に向き合ってほしい」と訴えた。藤田課長補佐は道路が寸断された中で救助に向かった体験を紹介、「水害は予想がつかない」として情報伝達の大切さなどを強調した。
 課長たちのディスカッションでは、「日頃から避難場所や避難経路などを把握してほしい。災害時の状況は変わる。前例にとらわれないで行動してほしい」との意見が出た。
 セミナーに参加した同町税務課、大宮みどりさん(29)は「水害当時は小学生。自宅の玄関に水が入って夜は怖かった。職員として自覚と心構えを持ち、災害に向き合っていかなければならないと思った」と引き締めた。(伊沢利幸)
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【用語解説】那須水害
 平成10年8月26~31日、台風4号接近に伴う大雨が県内や福島県などで降り続き、死者22人、行方不明2人の被害が出た。県内では死者5人(那須町3人、旧黒磯市=那須塩原市1人、足利市1人)、行方不明2人、負傷者19人(いずれも那須町)の被害が出た。住宅の全半壊、一部破損は129棟の被害は大半が県北地域に集中。那須町では27日午前0時以降、1時間40ミリを超える大雨が7時間連続で降り続き、余笹川や黒川などが増水、氾濫した。