岩手・紫波町で国学院大の学生ら間伐体験 今年で15回、循環型社会へ連携

 
刃渡り約30センチのノコギリを手に、初めての間伐作業に悪戦苦闘する学生=岩手県紫波町

 岩手県紫波町の山林で25、26日、国学院大学(東京都渋谷区)の学生とOB、教職員が間伐作業に挑んだ。伐採木を切り倒し、枝打ちして長さ2メートルに切り揃えるのに使えるのは刃渡り約30センチのノコギリと鉈だけ。悪戦苦闘しつつ、森林環境維持に欠かせない間伐作業を身をもって体験した。(石田征広)

 同大の学生らが同町で間伐に挑むのは今年で15回目。同大と紫波町、NPO法人紫波みらい研究所が地域の振興と活性化、循環型社会実現に向けて連携、協力する協定を結んでいる。

 紫波町は約58%が森林で豊かな森林資源の循環に取り組んでいる。間伐体験は同大の学生サークル「森木会(しんぼくかい)」(勝村渓太会長)と研究所の共催。今年は学生やOBらが町内の上松本公民館で3泊4日の共同生活を送りながら作業に励んだ。

 満足にノコギリも鉈も使えない自分に「むかつく」と吐き捨てたのは史学科1年の仙波桃花さん(18)。同大の北海道短期大学部1年、土屋佐季さん(19)は「鉈は角度や力加減がちょっと違うと全然切れない」と天を仰いだ。

 ところが慣れてくると、1人で切り倒せるように。仙波さんは「間伐の大切さが改めて分かった」と目を輝かせ、「筋が良い」とノコギリの扱いをほめられた土屋さんは「来年も来ようかな」と話した。

 「間伐作業には達成感がある。東京で生まれ育った自分にとって、紫波町は帰ってくる場所。ここに来ることで東京の良さを改めて感じるようにもなった」と史学科2年の勝村会長。

 研究所の橋浦律子事務局長によると、間伐体験が縁で3人が町に移住。今回、間伐を指導した地元の水分森林づくり推進協議会は8年前に同大の間伐体験が水分地区であったのに刺激を受け、自分たちで森林を守ろうと発足した団体だった。

 橋浦事務局長は「厳しい作業ですからまさかこれだけ続くとは思いませんでした。国学院大学は首都圏における町の応援団です」と笑顔で話した。