【黄門かわら版】クルマ社会から見た自転車マナー - 産経ニュース

【黄門かわら版】クルマ社会から見た自転車マナー

 7月の西日本豪雨で被災した男性が「家族の車が4台全て流された」と悲嘆にくれていた。都会では想像もできないが、1人1台という車事情は「マイカー保有率」の高い茨城県にもあてはまる。
 クルマ社会にどっぷり漬かっていると、歩くことが妙におっくうになる。歴史的な猛暑を記録した今夏、数百メートル先のコンビニに行くのに車を使うことがあった。茨城県人の運転が「乱暴」「自己中心的」などと批判されるが、自転車や歩行者の交通マナーも決してよくないことに気づく。
 欧州と違って「自転車専用レーン」が整備されていないこの国では「自転車がどこを走ればいいのか」迷う。暗がりの歩道を猛スピードで疾走する中高生、歩道があるのにわざわざ車道を歩く高齢者もいる。聞けば、車道の方が凹凸が少なく、つまずくことが少ないという。
 それぞれの身勝手な判断と思い込みで公共の道路を使っているのだから、事故は起こるべくして起きている。中でも弱者にも強者にもなりうる自転車は厄介な乗り物で、クルマ社会の盲点といえるだろう。最近ではスマホを操作しながらマウンテンバイクを運転し、歩行者をはねて死亡させた大学生が書類送検された。
 自転車は当然ながら「左側通行」であるのに、徹底されていない。ドライバー目線で言えば、右側を走ることは「逆走」に等しい。その程度の基本ルールがおろそかにされている。(日出間和貴)