内密出産制度でシンポ 熊本・慈恵病院副院長「法整備待たず開始を」

 

 妊娠を知られたくない女性が医療機関で実名を明かさず出産できる「内密出産制度」について、日本で導入する場合の課題を話し合うシンポジウムが、熊本大(熊本市)であった。導入を目指す同市の慈恵病院の蓮田健副院長(52)は、講演で「法整備を待たずに始める方法も検討したい」と述べた。

 慈恵病院は、親が育てられない乳幼児を受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営する。蓮田氏は「危険な孤立出産に向かってしまいそうな女性からの相談は多い」と、実情を説明した。その上で、戸籍作成などを扱っている熊本市に向けて、国の法整備を前提とする慎重姿勢を見直すよう求めた。

 2014年に法整備をしたドイツからは、連邦政府の担当課のユーリア・クリーガー課長(55)が登壇。「医療機関外での危険な出産を防ぐため、内密出産が必要だった」と意義を強調した。制度開始から今年7月までに、467件の内密出産があったという。