法務省かたるはがき激増 相談件数850倍 「訴訟が…」架空請求に注意

 

 法務省をかたった架空請求はがきが全国的に出回っている。都内でも今年になって激増し、都消費生活総合センターのまとめでは、今年5月の相談件数は前年同月比で850倍を超えている。はがきは法務省の架空の部署が差出人になっており、巧みに電話をかけさせて現金をだまし取ろうとするもの。実際に被害も出ており、法相も注意を呼びかける事態となっている。

 都消費生活総合センターによると、はがきは数種類確認されているが、差出人は「法務省管轄支局 国民訴訟通達センター」となっているものが多いという。

 内容は、要約すると「あなたに民事訴訟が起こされました。取り下げの相談に応じますので連絡ください」というもの。「お問い合わせ窓口」として、電話番号が記載されている。

 この番号に電話をかけると、弁護士を名乗る人物が出て、供託金などとして現金を振り込むように要求してくるという。

 センターに寄せられる相談は、「こんなはがきが来たのだが…」というものが大半だが、実際に振り込んでしまったというケースもある。

 こうしたはがきの相談件数は今年になって激増。昨年5月は1件、12月はゼロ件だったが、今年1月は160件。3月には500件を超え、4月には864件、5月には854件に達した。センターは6月以降はまとめていないが、高水準で推移しているという。

 はがきが送られてくる人に傾向や特徴はみられず、センターは「なぜ今年になって急に増えたのか分からない」と首をかしげる。

 そもそも、訴訟を起こされた際は、裁判所から特別送達で訴状が送られてくる。行政機関である法務省が「訴訟が起こされた」などと連絡してくることはあり得ない。また、法務省に「管轄支局」なる部局も存在しない。

 上川陽子法相は、こうしたはがきが大量に送りつけられていることを憂慮。閣議後の会見で複数回にわたって「法務省としても、この種の犯罪被害が発生しないよう積極的な情報発信などに努める」などと述べている。

 また、センターは「『法務省管轄支局』からはがきが来たら、絶対に連絡しないで無視してほしい」と訴えている。