旧大槌町役場解体差し止め訴訟で原告、提訴「本意でない」 - 産経ニュース

旧大槌町役場解体差し止め訴訟で原告、提訴「本意でない」

 「本意ではなかった」-。東日本大震災の津波で当時の町長らが犠牲となった大槌町の旧役場庁舎の解体問題が17日、司法の場で争われることになった。解体工事差し止めを求める訴えを起こした「おおづちの未来と命を考える会」の高橋英悟代表(46)は苦しい胸中を明かした。
 高橋代表は提訴後の会見で「対話を呼びかけてきたが解体に真っ直ぐ進んでしまった。立ち止まる機会があったのに、それが機能しないような状況で、きょうを迎えた」と語った。
 原告代理人の馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう)弁護士は「検証、検討もなく、拙速。熟慮がなくて民主主義といえるのか」と町の姿勢を批判した。
 「文字や映像、写真だけではなく、(被災した)現物も教訓や災禍を伝えていくものになる」と旧役場庁舎の社会的価値にも言及。馬奈木弁護士によると、震災での遺構をめぐり、建造物の解体差し止めを求める訴訟は初めてという。裁判では「場合によっては裁判官に現地検証をするよう申し立てる可能性もある」(馬奈木弁護士)とした。
 一方、大槌町の平野公三町長は「内容を確認した上で適切に対応する」とコメントを出した。