飯舘中で五輪精神の授業 留学生らが「友情・卓越・勇気」

 

 村内での授業を4月から再開した飯舘中で6日、生徒32人にオランダや南アフリカからの留学生らがオリンピック精神の「友情」「卓越」「勇気」を実習の中で教える授業を行った。関係者は福島第1原発事故後、自己肯定感の低下がみられる生徒の“心の復興”に向け、スポーツの力に期待を寄せた。 (内田優作)

 ◆筑波大院生を中心に

 授業を行ったのは、ユトレヒト大学(オランダ)とヨハネスブルク大学(南ア)からの留学生8人と筑波大大学院生6人を中心とした計28人。スポーツによって貧困や地域の課題解決を図るプロジェクトを今年から始め、国内では飯舘村と岩手県陸前高田市で、東日本大震災からの復興に貢献するプランに取り組む。

 授業は指導学生と中学生が3つの基本理念を醸成する競技に取り組んだ。「友情」では2人で取り組む二人三脚と手押し車(一方が1人の足首を持って歩く)を行い、バランスをとって汗を流しながらコミュニケーションを身体で学んだ。

 「卓越」では自己ベスト達成を目標にバスケットボールやサッカーのドリブルをリレー形式で競い合った。

 「勇気」では、2人が手首を握りあっているところに背中から倒れ込んだ。

 ◆「日常でも実践して」

 「『友情』『卓越』『勇気』という五輪理念を日常でも具体的に実践してほしい。それも五輪に参加するということ」。筑波大大学院2年の嘉正空知(かしょう・そらち)さん(24)が呼びかけた。

 授業を見守った佐々木徹教頭(55)は原発事故で傷ついた生徒の心の成長に果たす効果に期待した。「事故の風評の影響などから生徒の自己肯定感は非常に低い。教えられるようなものではないので、実習を通して自信を持ってもらいたい」と強調した。

 指導したユトレヒト大でスポーツ政策を学ぶバス・メイジェリンさん(24)は「このイベントで全てが解決するとは思わないが、五輪が身近になり、日常の中で五輪理念を身につけてもらえれば」。飯舘中3年の木幡圭吾さん(15)は「ボールを使ったメニューが楽しかった。五輪の理念の大切さを実感できた」と笑顔で振り返った。