リニア交渉の窓口一本化 「大井川利水関係協」を設立

 

 南アルプス地下を貫通するリニア中央新幹線工事によって大井川の流量が減少する問題で、大井川流域の自治体と利水団体などは2日、一丸となってJR東海と交渉するため「大井川利水関係協議会」を設立した。これまでは市町や団体ごとに個別対応していたが、今後は交渉窓口を協議会に一本化し、地元が一貫して要望してきた「トンネル工事によって湧き出た水の全量を大井川に戻す」ことを同社に強く求めていく。

 協議会に参加したのは県のほか、地元の利水者で構成する11団体と島田市や川根本町など大井川流域の8市2町。

 大井川の水問題についてJR側は「減少した水は大井川に戻す。必要と認められればトンネル湧水の全量を戻す」との方針を打ち出したが、地元側は条件を付けることなくトンネル湧水の全量を川に戻すよう要求している。島田市の染谷絹代市長は「大井川の水は命の水。周辺地域全体の盛衰に関わる話で、全量を川に戻すことは当たり前だ」と同社との対決姿勢を鮮明にした。

 協議会設立に先立ち、大井川流域の8市2町は「JRからいまだに納得できる回答を得ておらず、議論も平行線」として、流量減少対策の確実な実施を同社に働き掛けるよう求める要望書を川勝平太知事に提出した。川勝知事は「心を一つにして情報共有し、県民のために対応していきたい」と応じた。

 リニア新幹線工事をめぐっては静岡市が6月、地元側が求める県道へのトンネル整備を同社の費用負担で行うことを盛り込んだ基本合意を締結済み。ただ、今回の協議会設立により、同社が目指す静岡工区の早期着工には大井川の水問題が立ちふさがることになった。同市は協議会には参加せず、要望書にも名を連ねていない。