開門判決「無効」 地元からは歓迎の声「堤防は暮らし守っている」 長崎 - 産経ニュース

開門判決「無効」 地元からは歓迎の声「堤防は暮らし守っている」 長崎

 「今回の判決で、住民の悲願だった安全・安心な暮らしが実現できる」
 諫早市自治会連合会の古賀文朗会長(78)は、災害に悩まされてきた過去を振り返り、しみじみと語った。
 堤防閉め切り前、諫早では数年に1回、市内を流れる本明(ほんみょう)川などが暴れ、水害が発生した。「高潮と洪水は諫早の宿命だった」という。
 昭和32年に発生した諫早大水害では、500人を上回る死者・行方不明者を出した。「床下から迫り来る水は恐怖だった。部屋のカーテンを破ってロープ状にし、隣の家の屋根に逃げようとしたところで、水が引き出した」。鮮明に覚えているという。
 平成9年、全長約7キロ、高さ7メートルの潮受け堤防が完成し、高潮や水害の危険性は低減した。
 堤防内側の調整池(約2400ヘクタール)は、干拓地やその後背地で洪水が起きないよう、ダムのような機能を持っている。
 古賀氏は、諫早干拓事業が持つ防災機能を熟知しているだけに、開門には絶対反対だった。
 「潮受け堤防ができ、高潮被害はなくなった。排水も改善され、洪水被害もほとんどなくなった。諫早市民の悲願だった安全・安心な暮らしが実現できたのです。排水門を開けるなんて、冗談ではない」と強調した。
 堤防閉め切り前、諫早市内には雨水などを川や海に流すための水門が、各所にあったという。
 「水害を防ぐため、見張り役が始終、開け閉めをしていた。危険な作業ですが、こうした水門の開け閉めも、今はできる人はいないんです」
 ただ、開門派は今後も法廷闘争を続ける可能性がある。
 「諫早市民の思いや、これまでの経緯を、原告側の漁業者は知らないのでしょう。弁護団に振り回されているとしか思えない。開門すれば有明海は何とかなるというのは、妄想です。今回の判決をきっかけに、原告団には『自分たちは間違いだった』と気付き、考え直してもらいたい」