西日本豪雨3週間 切れ目ない給水へ尽力 熊本市上下水道局・坂口氏、呉で活動

 

 西日本豪雨の発生から3週間。九州の自治体からも、被災地へ職員派遣が続く。現地の環境は過酷だが、熊本地震や九州北部豪雨など過去の災害を教訓に、被災者支援に当たっている。自然災害の発生は防げないが、被害を最小限にとどめ、復旧復興を早めるには、経験がものをいう部分も大きい。(谷田智恒、中村雅和)

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 熊本市上下水道局は7月9日~23日の間、広島県呉市と愛媛県宇和島市に、3陣に分けて給水車3台と、延べ24人の職員を派遣し、給水活動などに当たった。水がなければ、命はつなげない。派遣された職員は切れ目ない給水を目指して努力した。

 「呉市の上下水道局は、熊本地震の直後、熊本市に支援に来てくれた。その恩返しの気持ちを抱き、被災地で活動した」

 こう語る給排水設備課副課長の坂口潔氏(56)は、第2陣の指揮者として、14~21日に呉市で活動した。

 中国地方では6日夜から7日にかけて、猛烈な雨が降った。呉市では7日、各地で断水が発生した。一時、市内の8割以上に達する約9万3千世帯で、水が途絶えた。

 「熊本地震では、水道管破損による断水が相次いだ。呉市は土砂災害によって、水道管だけでなく施設の被害が大きかった」。市東部の川尻地区では送水ポンプが破損し、いまだに約3千世帯で断水が続く。

 坂口氏ら職員は、学校や公園、集会所などで、給水支援に従事した。

 この猛暑で、被災者が必要とする水の量は多い。給水車のタンクはすぐ空になった。

 タンクに水を入れるため、給水車が現場を離れる。戻ってくると100人近くの行列ができていた。

 同じようなケースは、熊本地震でもあった。

 地震を教訓に、職員は改善策を提案した。タンク容量2トンの給水車を給水ポイントに置きっ放しにする。容量3・4~4トンの大型給水車を「充水専用部隊」として、給水ポイントと水場を往復させた。

 「災害時に水や食料がなくなるのは、被災者にとって大きな不安となる。切れ目ない給水を可能にしようと考えた。こうした運用を、これからも発信していきたい」

 猛暑の中の支援活動は、職員にとって負担が大きい。それでも、来て良かった感じることがあった。

 ある朝、給水車のフロントガラスのワイパーに「水のありがたさ 感謝」「ありがとうございます」などと書かれた紙が挟まれていた。「各地から来た行政職員を、市民が応援してくれた。その心意気に感動した」。坂口氏はこう語った。