足立美術館で夏の風物詩、日本庭園の赤松剪定 庭師の「神管理」を入館者に公開 島根

 

 島根県安来市の足立美術館で23日、日本庭園にある赤松の剪定(せんてい)作業が始まった。9月中旬まで約2カ月をかけ、開館時間中に庭師たちが1本ずつ丁寧に手作業で進めていく「夏の風物詩」。国内外で高評価を受ける同庭園の“神管理”ぶりを、直接見ることのできる貴重な機会だ。

 同館は、近代日本画のコレクションとともに、美しい日本庭園が高い評価を受けている。米国の専門誌が選出する日本庭園ランキングでは15年連続で首位をキープし、選考者らが「神管理」と称賛。フランスの旅行ガイドでも最高評価の三つ星を獲得した。

 その庭園は、借景を含めて16万5千平方メートルの広さがあり、赤松はその主要な構成要素として、800本が植えられている。庭園の手入れは通常、開館前に行われるが、赤松の剪定は数が多いことなどから、毎年この時期、開館中に実施。このため、その作業風景が夏の風物詩として入館者らに親しまれている。

 庭師たちは、脚立やはしごに登って不要な枝を切り落とし、古い松葉を摘みながら樹形を調整。入館者の目に留まる樹冠の手前は涼しげに、後ろ側は借景に溶け込むよう徐々に濃く-と心がける。さらに、竹製の手ぼうきで古い樹皮をはがし、赤松特有の鮮やかな幹の赤色を見せている。

 「今年は特に暑いので、休憩を多く取るようにしている」と、作業を指揮する庭園部長の小林伸彦さん(55)。この暑さで、ドウダンツツジなど秋に美しい紅葉を見せる樹木の葉が焼けてしまうのを心配し、小まめに散水しているという。