名張にワイナリー完成 醸造家・中子さん、来月から生産「地元産ワインを」

 

 地元特産のブドウを使ったワイン醸造を目指す「名張・ワインプロジェクト」の拠点となる醸造所(ワイナリー)が完成し、来月から生産を開始する。醸造を担当するのは、名張市出身で本場フランスなどで修行を積んだ中子具紀(なかことものり)さん(34)。「気付けば瓶が空になっているような喉(のど)ごしのいいワインを造りたい」と語る。

 中子さんは大学卒業後、大阪市の酒販売店でワインの営業を担当するうちワイン造りに興味を抱き、退職して渡仏。ローヌ地方でブドウ栽培から醸造までを手がける日本人醸造家の大岡弘武氏に師事した。

 その後、スペインでも1年間修行し、帰国後は滋賀県のワイナリーに就職。天然酵母によるワイン造りで平成24年にオリジナルワインブランドを立ち上げた。今回、名張商工会議所が市などと連携してオリジナルワインを造るプロジェクトが発足し、中子さんに声がかかった。

 「ワインはブドウ8割、人2割で味が決まる」と話す中子さん。ブドウの味を生かすために栽培の段階から農薬や肥料を極力使わず、自然酵母でのワイン造りにこだわる。理想のブドウを求めて、自身でも3年前から栽培もする。「究極は香りの付いた水のようでいて濃厚さもある、シンプルさと複雑さが共存するワイン」と夢を語る。

 ワイナリーは市から借り受けた旧国津小学校の廃校舎を約7848万円かけて改修。同商議所が出資する会社が運営する。1階が醸造場、2、3階には食品加工場などを設置。初年度は県外のブドウで作った約6100本を今秋以降に出荷し、年々、名張産のブドウを増やしていく計画。