土偶は楽器だった!? BIZEN中南米美術館、音の出る23点紹介 - 産経ニュース

土偶は楽器だった!? BIZEN中南米美術館、音の出る23点紹介

 中南米の土器や織物などを集めた美術館として知られる備前市の「BIZEN中南米美術館」の収蔵品に、穴から息を吹き込むと音が出る土偶があることが分かった。館長の森下矢須之さん(61)が思いつきで試したことが「発見」のきっかけに。古代人への想像は膨らむばかりだ。
 5月から同館で始まった日本とエクアドルの外交関係樹立100年を記念した特別展「古代アメリカ六千年文明展~EpisodeII~」に23点が出品されている。その多くがエクアドルで見つかり、土偶の底部や頭頂部など穴のある場所はさまざまだ。
 「ひょっとして鳴るかも」。特別展初日の1週間ほど前、森下さんはそう思い、エクアドルのラ・トリータ文化(紀元前600年~紀元400年)の「人物象形土偶」を手に取った。
 後頭部の穴から笛を吹くように息を入れてみると「ホー」と少しこもったような低い音から、「ピー」という高い音まで出た。複数の穴がある別の土偶では指の押さえ方で音が変わった。
 「どんな音が出るのか分からないのが楽しみ。これまでは音が鳴るという視点で土偶を見ていなかった」と森下さん。特別展出品の土偶70点を再鑑定すると、23点から音が出た。
 共同で研究を進める中南米土器に詳しい岡山県立大の真世土マウ准教授(48)によると、土偶は主に儀式で使われたという。「ごく一部の土器から音が出るのは分かっていたが、一般的な土偶からは珍しい」と驚く。
 森下さんは「中南米を学ぶ機会は少ない。見て触って吹いて五感で知ってもらえたら」と話す。古代のアメリカ大陸で暮らした人々も土偶に開いた穴で音を鳴らしたのだろうか-。
 特別展は12月24日まで。開館は原則土日祝のみ。