「オガーレ」とJR男鹿駅舎、同時オープン にぎわい維持に残る課題

 

 ■少ない宿泊施設・バス便の充実

 「なまはげの里」として知られる男鹿市に1日、同時にオープンした複合観光施設「オガーレ」(道の駅おが)と、隣接するJR男鹿駅の新駅舎。両者一体で新たな観光拠点となることを目指し、初日は大勢の観光客が訪れた。ただ、にぎわいを維持していくには、駅前に少ない宿泊先やバス便など2次交通の充実、観光ツアーの組成などに課題が残る。(藤沢志穂子)

 ◆観光資源は豊富だが

 県内で33番目の道の駅となるオガーレ。鉄骨2階建て、延べ約1400平方メートルの建物にレストランや物産館を併設する。急速冷凍設備棟があり、地元の海産物を新鮮なまま提供。約200メートルの距離にある男鹿駅の新駅舎は、小型風力発電設備で必要なエネルギーを供給し、屋上には観光名所の寒風山を望めるテラスを設けた。

 男鹿にはかつて男鹿温泉郷を中心に多くの団体客が訪れたが、個人旅行の台頭で衰退、東日本大震災で激減した観光客は戻りきっていない。なまはげゆかりの真山神社、男鹿水族館GAO、景勝地の入道崎など、観光資源は豊富だが、半島に点在して交通網も不便だった。7月からは市や県とJR東日本秋田支社が共同で男鹿駅前と主要観光地を結ぶシャトルバスの週末運行を開始、新たな拠点化に期待がかかる。

 オガーレは今年度の利用者数で18万人を見込む。道の駅駅長の山崎宏幸さんは、道の駅むなかた(福岡県宗像市)の館長を務めた経験から漁業の6次産業化を促し、加工場の併設も検討する。「新鮮な魚が売れ残ったら、加工して収益につなげる仕組みを作りたい。地元の高校生が企画・販売するなど『ストーリー』が生まれれば観光に結びつく」と話す。

 ◆なまはげ文化生かし

 市観光協会では、なまはげ文化と自然、スポーツを生かしたツアーの組成に取り組む。DMO(観光地域づくり推進法人)推進室長の樋野幸哉さんは「真山神社周辺や寒風山の軽登山、タイやヒラメの釣り体験も企画したい」と意気込む。

 一方で、こうした取り組みを後押しする観光客誘致の環境整備は道半ば。男鹿駅前には宿泊施設が少なく、ビジネス客も対象とするホテルの誘致は喫緊の課題だ。

 2次交通の拡充も不十分だ。なまはげゆかりの門前や五社堂など、半島西側の沿岸部までの乗り合いタクシーは便が少なく、駅前にレンタカー設備もない。JR東日本が昨春、導入した男鹿線の新型車両ACCUM(アキュム)を「企画列車を走らせるなど、観光路線としてもっと活用すべきでは」との指摘も出ている。