「平成狸合戦ぽんぽこ」ゆかりの「金長大明神」消滅の危機 小松島市の再開発で

 

 徳島県に伝わる民話で、戦前に映画化された「阿波狸合戦」の主人公・金長(きんちょう)を祭る「金長大明神」(小松島市中田町脇谷)が、市の再開発事業で消滅の危機に直面している。故・高畑勲監督の「平成狸合戦ぽんぽこ」にも金長の末裔(まつえい)が登場しており、地元住民らは保存運動を展開している。

 商人に助けてもらった金長が恩に報いて店を繁盛させ、人間をだますタヌキとの戦いの末、商人に礼を述べて息絶える-。

 市史などによると、こうした筋書きの民話を基にした映画が昭和14年に大ヒット。神社は製作会社の社長らからの寄付で同32年に建てられた。神社は野球場やテニスコートなどが並ぶ敷地の一角にあり、境内にタヌキの石像などが並ぶ。映画「平成狸合戦-」には六代目金長というキャラクターが描かれ、高畑さんも参拝したという。

 市は5年後の春までに一帯を防災公園にする計画を進める。都市公園法で神社の設置が認められず、建物も老朽化しており、現在の形で残すのは難しいとしている。担当者は「碑やモニュメントなどを作ることも考えている」と話す。

 地元住民らは今年2月、「金長さんを守る会」を結成し、ブログでの情報発信や清掃活動を始めた。5月下旬までに、保存を求める署名が県内外から8500筆近く集まったという。会長の住職、服部宏昭さん(67)は「金長大明神はみんなのよりどころ。今の場所に、今の形で残してほしい」と話している。