マハタ稚魚出荷、試験養殖始まる 福井県水産試験場「技術向上」

 

 県が取り組んでいる高級魚「マハタ」の養殖で、県水産試験場(敦賀市)が生産した稚魚を県内の養殖業者が育てる試験養殖が始まった。25、26日に体長20~25センチ、重さ約250グラムまで育った稚魚約2千匹を同市と若狭町、高浜町の業者に出荷する。同試験場は「ゼロからのスタートだったが、稚魚の生産技術が向上した」と、新たな養殖魚に向けて意欲をみせる。

 同試験場によると、マハタは上質の脂が乗ったあっさりとした食感の白身が特徴で、高級魚として人気がある。愛媛県など比較的温暖な地域で出荷量が多い。県内の養殖はトラフグ、マダイが主流だが、新たな養殖魚として全国的には流通量が少なく、市場単価が高いマハタに着目。日本海側では唯一のマハタ養殖の取り組みで、同試験場は平成26年度から稚魚の生産技術の開発に力を入れている。

 孵化(ふか)したマハタは体長が約1・6ミリと小さく、デリケートとされる。冬場の水温の低さに対応するため、コストがかかるボイラーによる加温に代わり、水槽を断熱材で保温し、水を浄化して再利用するシステムなどを採用。稚魚の生産量を増やし続け、同試験場の沖合にある研究用いけすで養殖技術も研究してきた。

 試験養殖では来年秋ごろまでに重さ1・5~2キロの成魚に育て、飲食店での試食会などを開く。32年度から県内の養殖業者が同試験場で生産した稚魚を使った養殖を本格化させる計画という。

 同試験場の畑中宏之・主任研究員(55)は「冬場の水温の低い福井での養殖は難しいという指摘もあったが、他の産地に負けないような展開ができると考えている」と話した。