ビジョン持って努力を続けて ノーベル賞・山中氏が富田林で講演

 

 ノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長が17日、中高一貫校の府立富田林中学校・高校(富田林市)で講演。生徒や保護者ら約600人に、自身の経験をもとに将来へのビジョンを持って努力を続けることの大切さを訴えた。

 同校は府内初の併設型中高一貫校として昨年、開校。富田林高校同窓会会長で、元大阪大総長の岸本忠三氏(79)が山中氏を支援した縁もあり、敷地内に「中高一貫校記念館」が今月完成したことを記念し、講演会が実現した。

 山中氏は、臨床医となった翌年、輸血が原因の病気で父を亡くした悔しさから、医学研究者への道を志したと振り返った。30代で留学した米・サンフランシスコでは、所属していた研究所のロバート・マーレー所長(当時)から、その後の人生のモットーとなった言葉を教えられたエピソードを紹介。それは「VW」で「Vision&Work Hard」(ビジョンと仕事を熱心に)という英語の頭文字だった。

 山中氏はこの言葉から、「研究の力で病気をやっつける」という人生のビジョンに気付いたと強調。「中学や高校の間は目の前のことを一生懸命やる『ワークハード』が大切」としながらも、生徒らが今後、さまざまなことを体験することを前提に「いろいろな経験から人生のビジョンをつくってほしい」と呼びかけた。

 座談会もあり、男子生徒の一人は社会や患者への貢献意識をどう保っているか質問。山中氏は「難病の患者さんや家族の方が原動力になっている気がする」などと答えていた。