函館に学ぶおもてなし 秋田 - 産経ニュース

函館に学ぶおもてなし 秋田

 函館を5月の大型連休中に訪ねた。学生時代以来、二十数年ぶり。五稜郭の桜が満開で、その素晴らしさと「国際観光都市」としての成熟ぶりに驚いた。
 JR函館駅は見方によっては、かつての青函連絡船のようにも見えるモダンな建物。ホームは海外の鉄道駅に多い、改札通路から直結する形。外国人観光客も多く、駅員は英語のみならず中国語も駆使。市電は深夜まで運行し、五稜郭タワーで函館駅までの経路を尋ねると、スタッフが多言語対応の専用パネルを使って事細かに教えてくれた。
 市バスには「すみません、回送中です(Sorry,Out of Service)」の表示。そっけない「回送」としない工夫に、おもてなしの心意気を感じた。観光には「遊び心」もあるべきだ。人口減少で経済が先細り傾向にある街が、観光で必死に生き残ろうとする姿勢も垣間見える。函館には、地域おこしで学べる点が多くある。
 JR東日本秋田支社は昨年12月、東京から観光庁次長も招いて「函館・秋田・津軽広域観光推進協議会」を発足させた。函館、角館、大館と「館(だて)」の付く街を擁する自治体が連携して、外国人観光客の誘致を目指す「3D連携」構想もある。だが、いずれもその後の成果は聞こえてこない。とりまとめ役は、各地を鉄道で結ぶJRが担うべきではないか。
  (藤沢志穂子)