菰野映画塾3日で手作り ファンと地元有志、2作完成 三重 - 産経ニュース

菰野映画塾3日で手作り ファンと地元有志、2作完成 三重

 菰野町でショートムービーをつくる映画塾が今年5回目を迎えた。全国から集まった映画ファンが、脚本を書き、撮影スタッフも俳優もこなして3日間で作品を仕上げるという内容。参加者にとって自身の新たな可能性に出会えるのが魅力となっている。支えるのは地元の有志。資金の確保には苦労するが、塾生の映画を通して「ふるさとの良さを再発見できる」という。
 「そのシーンの撮影なら○○さんの家がいい」
 「出演者が足りない?彼に出てもらおう」
 「菰野ふるさと映画塾」実行委員会のスタッフは、塾生の企画会議から積極的に支援。撮影許可の交渉も買って出る。
 今回の映画塾は8~10日の日程で、県内だけでなく大阪府や大分県、京都府などの10代から60代の計13人が参加。三重県出身の瀬木直貴監督、脚本も手がける大阪府出身の作道雄監督らが講師を務めた。
 初日は映画についての講義に始まり、脚本作り、撮影場所を探すロケハン、芝居の稽古、小道具の制作など。2日目に撮影し、3日目に編集、音声や音楽を入れて完成、とスケジュールはぎっしりだ。
 今回は2チームに分かれ、LGBT(性的少数者)と家族の関係をテーマにした「父の約束」、自己啓発セミナーを舞台にしたコメディータッチの「こもの塾」を仕上げた。それぞれ12分程度の作品だ。
 塾生らは「明日から日常生活に戻れないかも」と充実した様子で「自分の新たな可能性が見えてきた」とも。講師らは「エネルギーと情熱があれば、作品はよいものに仕上がる」と語った。
 作品は今後、地方の映画祭などに出品するほか、町内でも上映会を開いていく予定という。「映画塾は観光PRが目的と思われがちですが、実はそうではありません」と塾長を務める森豊・御在所ロープウエイ専務は言う。「作品を見た菰野の人たちは『ふるさとっていいところだなあ』と実感するんです」。
 映画塾は自治体の財政支援は受けておらず「予算は厳しい」という。他地域ではこうしたイベントは行政の支援がなくなった時点で終了、という例もあるが、森さんはもちろん塾を続けていくつもりだ。作品が地方の映画祭で受賞することもあり、参加者のモチベーションも高まっている。