両陛下、相馬の漁港ご訪問 漁業関係者、思い新たに 風評被害「払拭へ力頂いた」

 

 強い雨が降り、肌寒い一日となった11日の相馬市。天皇、皇后両陛下は東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた同市原釜地区の松川浦漁港にある卸売り場などを訪問、漁協関係者や作業に携わる女性らと言葉を交わされた。「風評払拭に向け力を頂いた」。両陛下の優しいお言葉とねぎらいに、漁業関係者は本格的な復興に向けて、誓いを新たにした。

 松川浦漁港内に再建された相馬原釜地方卸売市場の周辺には、到着予定時刻の2時間半前から約270人が集まり、両陛下を待った。一番乗りだったという、近くの民宿経営、鈴木清子さん(70)は「お姿を見て感動した。少しずつ復興が始まった中で、励みになる」と話した。

 午前10時40分ごろ、両陛下がご到着。車から降り、施設内に入られた。説明にあたった相馬双葉漁業協同組合の立谷寛治組合長(66)と渡部祐次郎参事(55)によると、両陛下は県内漁業の復興の様子などに熱心に耳を傾けられたという。また、天皇陛下は時折遠くを指さし、津波の状況などを尋ねられた。

 続いて、両陛下は前日、地元の沖合で水揚げされた「常磐(じょうばん)もの」のカレイやタコ、アイナメなど15種類の魚介類の仕分け作業をご覧になった。作業中の同漁協婦人部のメンバー10人に「震災で大変でしたね」「婦人部は何人いますか」と声をかけられた。

 漁協婦人部員の松本美和子さん(58)は平成11年に同市で開かれた「全国豊かな海づくり大会」の際にも、両陛下から言葉をかけられたことがあったといい、今回は皇后さまから「(以前に)お会いしたことがありますね」とお声をかけられて、感激した様子だった。「福島に来ていただき、本当にうれしい」と笑顔を見せた。

 約1時間の視察を終え、出発される両陛下を見送った漁業、三春智弘さん(59)は「福島の魚はいまだに風評で売れ行きが悪い。こういう状況の中で、福島に来てくださり、風評払拭への大きな力を頂いた」と感謝の言葉を口にした。