南陽市の長岡南森遺跡、古墳の可能性濃厚

 
前方後円墳のくびれ部分辺りを発掘し「二重口縁壺」の破片が見つかった長岡南森遺跡=南陽市長森(柏崎幸三撮影)

 南陽市教育委員会が5月から発掘調査を進めている長岡南森遺跡(同市長岡)で、土器「二重口縁壺(にじゅうこうへんつぼ)」の破片などが出土、同遺跡が古墳である可能性が濃厚になった。この遺跡は近くの住民から「古墳ではないか」という指摘があり、明治期の地形図「字限図(あざきりず)」にも前方後円墳の輪郭が残されている。同市教委は平成28年に上空からのレーザー照射による3次元測量を実施、墳長161~168メートルの前方後円墳の形状が確認されていた(柏崎幸三)

 前方後円墳は後円部分の上部の主体部で祭祀(さいし)儀礼が行われ、使われた土器は前方部分と後円部分をつなぐ、くびれ部分で発見されることが多い。このため南陽市教委は5月初旬からこの部分を中心に掘り進め、土器の破片約240片が出土した。このうち祭祀儀礼時に使われ、古墳であることを示す3種の「二重口縁壺」の破片も見つかった。

 また、古墳の周囲にある濠(ほり)の部分にあたる周濠(しゅうごう)(溝)も確認された。この周濠から続く斜面の表土を削って平らにした「テラス」部分も見つかっている。

 さらに、出土した土器の破片が腐植土を含む黒い土から出ていることなどから、県立うきたむ風土記の丘考古資料館前館長の佐藤鎮雄さん(74)は「二重口縁壺の破片や人工的につくったテラスなど、長岡南森遺跡は80~90%、古墳であることは間違いないだろう」とみている。

 東北地方では、宮城県名取市にある4世紀末から5世紀前半の古墳時代中期の国史跡雷神山古墳(らいじんやまこふん)(墳長168メートル)が最大級。長岡南森遺跡はこれに並ぶ規模を誇る。佐藤さんはかつて遺跡周辺で底に穴の空いた祭祀儀礼用土器「底部穿孔(せんこう)土器」を見つけており、遺跡との関係性も研究される必要がある。

 南陽市教委は5月末まで発掘調査を進めていく計画で同市教委の角田朋行課長補佐(51)は「現在、くびれ部分をT字型に174平方メートルを掘っただけで、土器の破片が約240個が見つかった。ここから底部穿孔土器が見つかったら古墳であることは確実になる」と話す。佐藤さんも「発掘調査で長岡南森遺跡が古墳であることを確実にしたい」としている。