山形・遊佐町でサクラマス陸上養殖、「脂のりよい」1キロ超15匹 - 産経ニュース

山形・遊佐町でサクラマス陸上養殖、「脂のりよい」1キロ超15匹

 山形県の県魚「サクラマス」を高級ブランド化しようと、県やマルハニチロなど産官学6者が遊佐町で進めてきた第1回陸上養殖試験が25日に終了した。成長度合いを調べた結果、1キロを超す個体が15匹育っていたことが判明、遊佐町ではサクラマスの水産加工品化を進める検討を早めたいとしている。(柏崎幸三)
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 実証実験は日本固有種のサクラマスを新たな水産資源として養殖、輸出可能な最高級ブランドに育てようと、県、マルハニチロ、水産研究・教育機構、キッツ、JXTGエネルギー、香川高等専門学校の産官学6者が昨年9月に開所した遊佐試験場で500尾を陸上養殖してきた。
 今回のサクラマスは大きいもので体長約45センチ、1・3キロに育ち、生存率は98%。平均では0・6キロと、当初の目標だった平均1・5キロには及ばなかったが、成長した個体は、体表が婚姻色を示す淡いピンク色を示したり、尖った口先をしたりと、成魚のサクラマスの特徴を備えていた。今後は食感や味などもみていくが、マルハニチロ中央研究所の椎名康彦副部長は「脂ののりもよく、天然ものよりおいしい」と話した。
 大きさが目標に達しなかった点について、椎名副部長は「天然魚から採卵し孵化(ふか)させたため、天然の激しい気質が残り(人間が与える)人工餌を食べない結果」とみる。このため9月から実施する第2回実証試験には、天然魚から孵化した種苗と人工餌に慣れた種苗-の2通りで実験する。
 一方、サクラマスを特産品にしようとする遊佐町では、試験的に地元の酒造会社「杉勇蕨岡酒造場」の酒かすを使ったサクラマスの酒かすみそ漬けを披露。時田博機町長は「町でもサクラマスの特産品をつくる第3セクターの水産加工品会社づくりを検討している」と話した。
 マルハニチロでは、2020年の東京五輪・パラリンピックを見据え、国際ブランドに育てたい考えだが課題は生産量の拡大。水産研究・教育機構の山本義久准教授は「遊佐町のブランドにしていくためにもスピードが重要」と助言した。