むかさり行列、半世紀ぶり復活 山形・最上町の伝統行事 宮城出身女性の嫁入りで - 産経ニュース

むかさり行列、半世紀ぶり復活 山形・最上町の伝統行事 宮城出身女性の嫁入りで

タンスを駕籠のように担ぎ、花嫁を披露しながら進んだ最上町のむかさり行列。昭和40年代まで行われた(大場栄三さん提供) 
26日のむかさり行列を企画した山崎香菜子さん
 花嫁行列で地域の人たちにお披露目する最上町の伝統行事「むかさり行列」が26日、同町で行われる。昭和40年代半ばまで続いていた嫁入り行事で、地域に残る伝統行事を復活させ、地域のつながりを深めたいと、結婚を機に移り住んだ宮城県白石市出身の山崎香菜子さん(35)が、自身の嫁入りでおよそ半世紀ぶりに復活させる。(柏崎幸三)
 山形県内で「むかさり」は、結婚式をはじめ、結婚にまつわるさまざまな意味に使われてきた。最上町ではタンスを担ぐ人を先頭に仲人、花嫁、両親、親戚らが行列をつくり、花嫁を実家から嫁ぎ先の新郎宅まで送り届ける風習だ。
 花嫁をお披露目する機会でもあったむかさり行列の見せ場は、地域の人たちが花嫁に結婚の覚悟を問う「止め唄」の場面だ。「この道を止めるじゃないが 唄も聞きたい 花嫁も見たい」と、長持唄(ながもちうた)調で歌い行列を止めては花嫁に質問する。止められた行列は「この道を止められちゃ困る 家で亭主が待っている」と「返し唄」で応じる。
 「嫁入りは、楽しみもあるが悲しみもあり不安もある。そんな花嫁側の気持ち、雰囲気が行列から感じられてくるんです」
 むかさり行列を体験した同町の大場善男さん(90)はそう懐かしむ。「結婚は最高にめでたいもの。多くの人に(花嫁を)見せたいという気持ちから始まった行事なのでしょう」と話す。
 山崎香菜子さんは昨年7月、同町の会社員、山崎拓(たく)さん(37)と結婚、同時に同町に住み始め、地域起こし協力隊員として働く中、大場さんからむかさり行列のことを教わった。古くから町に暮らす人に取材し、自身のむかさり行列のプランを練った。26日午後1時半、着飾った馬に香菜子さんが乗り、両親、親戚ら35人で同町富沢の湯原バス停をスタート。餅や酒を振る舞いながら約1時間かけて約500メートルを歩くことにした。
 「花嫁は地域の方たちにあいさつします。地域の人も一緒に参加できます」と香菜子さん。「ぜひこの地域に残るむかさり行列を通して、地域のつながりが深くなっていってほしい」と話している。