藍色の「デニム備前焼」誕生 岡山の伝統産業、コラボで新名物

 

 倉敷市児島地区で、地元特産のデニムと伝統の備前焼によるコラボレーション“デニム備前焼”作品が誕生した。陶芸家の木村玉舟さん(65)=備前市=がジーンズを染める藍を釉薬代わりに使って開発。新たな岡山名物となりそうだ。

 児島地区では江戸後期に塩田開発で地域振興に貢献した実業家の旧居、旧野崎家住宅(国指定重要文化財)が一般公開され、芸術作品展示会場など文化施設として活用されている。

 デニム備前焼誕生は、同施設が、陶芸作品展開催で親交のあった木村さんに「瀬戸大橋開通30周年を彩る児島らしい作品を」と提案したのがきっかけ。

 地元業者が藍の原液を旧野崎家住宅に提供し、木村さんが作品を白く焼き上げる特有の技法「白備前」を土台にして約1年前から制作に着手。瀬戸内の魚を題材にした造形作品群を仕上げた。

 当初は土に藍を練り込むなど試行錯誤。しかし「高熱で焼き上げるから青色が消えた」といい、結局焼成後に着色し、乾燥後は水滴を垂らしての細やかな色落とし作業を繰り返すなどして濃淡を出し、作品全体に立体感を演出。最後は漆でコーティングした。

 誕生した作品群は計33点。タイやタコ、カレイをはじめ、県西部のカブトガニ、深海魚のシーラカンス、渓流に住むオオサンショウウオまでもが題材となっており、青銅色のように映えている。

 作品群は旧野崎家住宅で6月24日まで公開されている。展示ケース内に敷いたデニムの端切れを海に見立て、タコつぼや漁網も並べてムードを演出。

 木村さんは「デニムの力で作品のリアル感がいっそう引き出された。群れる魚の姿を楽しんでほしい」と話していた。