福島県警、山岳ガイド協会と協定 スマホ登山届「コンパス」登録情報で迅速捜索

 

 〈福島〉本格的な登山シーズンの到来に合わせ、県警は、スマートフォンのアプリで手軽に登山届が提出できるサービス「コンパス」の活用を始めた。予定を過ぎても下山連絡がない場合、家族らに連絡が入る仕組みだ。県警は迅速な捜索活動に登録された情報を利用するため、コンパスを運営する日本山岳ガイド協会と、東北6県警で初めて協定を結んだ。(内田優作)

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 コンパスは、登山者の入山や下山、ルート、同行者などを入力して登録するシステム。予定時刻から7時間過ぎても下山したと通知がないと、家族ら緊急連絡先にメールが届き、県警に早めに相談や通報できる。

 県警は協定に基づき登録された情報にアクセスできるため、迅速に態勢を整えて、捜索活動が実施できるようになる。検索した登山届から、近くの登山者を割り出し、目撃情報などを収集することも可能という。

 また、緊急連絡先の家族らから「県外在住の登山者が下山しない」「他県の山に登ったまま連絡がない」などの相談・通報があった場合、県警はコンパスで得た情報を関係する県警などに提供、捜索を支援する。

 コンパスは平成25年9月から運用が始まり、利用者登録は約6万人で、今年4月までに全国25の自治体・県警が協定を締結している。県警がこうした取り組みに力を入れる背景には、登山届の提出が義務ではなく、届けを出さず入山するケースが多いためだ。県警総合運用指令課によると、29年の県内の山岳遭難は、前年比約20%減の55件、遭難者は同約25%減の62人(うち死亡7人、行方不明者2人)だった。遭難者の約8割は登山届を提出しておらず、山の事故防止が課題の一つになっている。

 同課の佐藤淳次席は「(届けの)作成中に装備や下山計画を綿密に検討することで安全への意識が醸成される」と、登山届の必要性を強調。その上で、「春山は寒暖差や雪解けなど、夏山よりも危険。市街地の気温や天候だけで判断せず、冬山並みの装備で臨んでほしい」と注意を促している。