中津の山崩れから1カ月、本格復旧工事は秋以降 - 産経ニュース

中津の山崩れから1カ月、本格復旧工事は秋以降

大分県中津市耶馬渓町の山崩れ現場で進められている応急工事
 住民6人が犠牲になった大分県中津市耶馬渓町の山崩れは、11日で発生から1カ月が経過した。県は崩落による2次災害を防ぐ応急工事を進め、例年梅雨入りする6月5日までの完了を目指す。並行して原因究明に欠かせないボーリング調査を実施し、8月末までに崩落の要因を特定したいとしている。復旧工事の着手は秋以降になる見通しだ。
 4月11日未明、集落の裏山が崩れて住宅4棟が巻き込まれ、うち3棟の男性1人、女性5人が圧死した。県は不明者の捜索終了後、川に土砂が流入するのを防ごうと、川沿いに土嚢(どのう)約1千個を積んだ。カメラや亀裂の幅を測る伸縮計も設置し、24時間監視している。さらに斜面に地下水を抜く長さ約70メートルのパイプ10本を通し、崩落を防ぐ凝固剤で表面を固める。
 県は最終的に現場を元の保安林に戻す方針だが、数年かかる見通しだという。県の樋口昭森林保全課長は「崩落原因を特定しないと、復旧工事に着手できない。10月ごろには始めたい」と話す。
 専門家の分析も進む。国土交通省のチームは、現場は雨水が浸透しやすく、深い位置にある岩盤が雨水の影響で風化したと解説。林野庁と日本地すべり学会は、地下水で粘土化した中腹の岩盤が地すべりを引き起こした可能性があると指摘した。大分大の鶴成悦久准教授(災害情報学)は、地下水の影響で斜面中央部が崩壊し、支えを失った周辺が崩れたとみる。
 一方、住民の不安は続く。近くの自営業、松原幹生さん(63)は「自宅裏山が崩落しないか怖い。石がぽろぽろ落ちている」と語った。現場は崖崩れの危険がある「土砂災害警戒区域」に指定されていたが、避難場所や経路を示すハザードマップは未作製だった。危険が十分周知されていなかった可能性があり、市は危険箇所を示した簡易版を作り6月1日から配布する。