愛媛の劇場「シアターNEST」 「しんみんさん」でこけら落とし

 

 ■坂村真民氏テーマのミュージカル

 「念ずれば花ひらく」などで知られ、愛媛県で活動した詩人、坂村真民氏(1906-2006年)をテーマとしたミュージカル「しんみんさん」が同県東温市に完成した劇場「シアターNEST(ネスト)」のこけら落とし公演として、4月29、30の両日、計4回上演された。今後は学校や施設など、同劇場外への出張公演も受け付ける。

 同劇場は客席約70席の小劇場。「坊っちゃん劇場」に隣接する商業施設内に東温市が整備した。

 坂村氏は熊本県出身で、愛媛県で詩人として活動した。定住した砥部町の名誉町民で同町に「坂村真民記念館」がある。本名は昂(たかし)。

 同記念館によると、8歳の時、父親が急逝し、どん底の生活の中、母を支えた経験がある。大学卒業後、熊本や朝鮮で教員を務め、終戦後は愛媛県で高校の国語教員となった。若いころから短歌に精進したがその後、詩に転じ、個人詩誌「詩国」を発行した。一遍上人を敬愛し、午前零時に起床して夜明けに川のほとりで祈りをささげる生活を続けた。弱者に寄り添い、癒やしと勇気を与える詩は幅広いファン層を持っている。

 ミュージカル「しんみんさん」は砥部町民劇団の3人が、坂村氏をテーマとした舞台の制作に取り組み、詩や生涯と向き合う内容。上演時間は約45分で、坊っちゃん劇場の俳優3人が演じた。観劇した坂村真民記念館の西澤孝一館長は「真民さんの生き方がわかりやすくコンパクトにまとめられ、演技も素晴らしい」と太鼓判を押していた。

 出張公演などの問い合わせは、坊っちゃん劇場アウトリーチ事業部(電)089・990・7336。